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中国探訪記 -匠バイヤー三人衆、中国を行く-

生産地の自然に惚れる

ゴールデンウイーク明けのさわやかな季節に、土橋園から3名が中国に仕入れに行ってきました。

成田から上海に入って四川省の茶どころへ向かい、今回は茶農家の畑で栽培される最高級の茶葉や集積場、乾燥の工程などを確認してきました。

今回の仕入れ先は、以前からお付き合いのある杭州の茶商さんが四川省に合弁会社を開設し、周囲の環境や品質管理を確認された上で、紹介を受けた産地です。

そばを新幹線が通ったり、ちょっと行けばビルが立ち並ぶような日本の茶畑からは想像できないほど、四川の茶畑は、抜けるような青い空の大自然の中に広がっていました。

生産地の自然に惚れる

今回仕入れて皆さまにも販売する「雀舌」は、中国のお金持ちや日本やヨーロッパなどの海外に輸出される高級品です。中国の国民の平均年収からすればけして安くはない価格がついていますが、それでも茶を愛する人は買って飲みます。社会主義体制の時代も、中国の人は食に対しては貪欲で、とりわけお茶にかけるお金には糸目をつけなかったようです。

収入に占める食費の割合を指す「エンゲル係数」という言葉がありますが、仮に「お茶係数」というものを試算してみたら、中国のそれは軽く日本の数倍になってしまうはずです。中国には「お茶好きの男には嫁を出すな」ということわざもあるくらいで、いかにお茶が高価なものかがうかがえるでしょう。それほど中国人の茶道楽は相当なものなのです。

職人の合わせ技が生み出すお茶

今回訪問した中国有数の茶どころ、四川の蒙山では千年以上もの間、手作業で気の遠くなるような茶摘みが行われてきました。 一芯を手摘みしているのをこの目で確認してきましたが、 一日中がんばっても、たったの数百グラムしか採れません。日本人には真似のできない根気強さを感じました。

中国にはお茶加工の専門学校があります。日本で農業高校に(日本酒の)醸造科があるのと似た感じかもしれません。その専門学校を卒業した若さあふれるスタッフが、最高品質の茶葉を、最高級のお茶に加工していきます。茶葉を栽培するスタッフ、摘みとるスタッフ、加工するスタッフ、全員が誇りを持ったプロフェッショナル・・・という印象を受けました。

上昇思考の強い中国人のならではの集中力で、最高級のお茶が作り出されていくのでしょう。

年に2回は中国へ

訪中は25回目で、今回も4日間の強行軍でしたが、四川料理の辛さも案外慣れてきたことですし、今後も何度でも行きたいです。毎回現地の通訳さんにお世話になっていますが、次は多少中国語も勉強して。

中できれば、春の一番茶、秋の番茶と年に2回は行きたいところです。

中国のほかに、ベトナムやスリランカでも良質の茶葉が採れますので、今後はそちら方面にも仕入れに出かけて行きたいものです。土橋園は、良い茶葉のためなら世界中を駆けめぐります。

文:土橋武雄